歌をうたう上で最も重要な要素のひとつが「説得力」です。ここではそれについて考えてみましょう。
説得力は音質や話し方、間の取り方などが関係します。
これが自然とできている人の話は説得力があります。
つまり、多分に素質と才能によるものだと言えます。
歌についても同じ事が言えるので、そういった方の歌は高い説得力を持っています。
「歌は語るもの、詩は詠うもの」と言いますが、まさにその通りであると言えます。
音質は変えることができませんが、それ以外の要素は真似たり、学んだりする事もできるので、
ここに書く事以外に、尊敬する歌い手がいればその方の「語り方」をよく観察してみてはどうでしょうか。
一本調子でうたってしまうとどうしても「メロディーを追っているだけ」になってしまいます。
同じ一本調子でもとてもパワフルにうたい上げると説得力も増しますが、
それはそういった歌声を持つ人特有のものです。
多くの場合はそういった歌声を持っていないので、
「語りかける」手法をより取り入れていきたいところです。
極端な例ですが、小さな子供にしかる時に「どうしてそんなことするの!!!」とヒステリックに言ってしまうと説得力が無く、力でねじ伏せている感じになってしまいます。
これを歌に照らし合わせてみると、「歌唱力」をアピールするだけになってしまいます。
優しくというのとは少し違うのですが、説き伏せるように「どうしてそんなことするの・・・?」と言うとずっと説得力があります。
これは歌や曲のイメージに合わせて、1フレーズごとによく考え、より良い「語り方」を決めていきます。
もちろん曲中の歌詞の中には強くイメージできない部分もありますので、特に重要な箇所を考えていきます。
また、これらはあくまでメロディーに合わせ自然に語ることが大切で、 あまりくどくやってしまうと「くさい演技」になってしまうので注意が必要です。