デモ音源作成では録音環境ほどではありませんが、再生環境も良くしておきたいところです。
作成中に繰り返し聞く時に再生環境が悪く酷くノイジーである場合などでは、
デモ音源を公開や送付して聞いてもらうと、自分には聞こえなくても他の人には変な音が聞こえる場合もあります。
ここでは主にパソコンを使った再生環境についてお話しします。
再生環境を良くするためには、
パソコン
サウンドチップ
出力系統
スピーカー
これら全てを良くする必要があります。
もちろん、いずれかのみを良い物にすれば効果はありますが、
極端に高価な物を1点交換するよりも、安価な物でも全て交換する方がメリットは大きいです。
それではひとつずつ見ていきましょう。
パソコンには、多くの場合搭載されたサウンドチップをコントロールするユーティリティーがインストールされています。
主にそれを使い、スピーカーの数やバランス調整、エフェクトなどの効果を与える事ができます。
ただそれらはミキシングする時には必要ではなく、2スピーカーでバランスが整っている事だけが必要な事です。
逆にエフェクトは全く必要ではなく、ミキシング時の再生にエフェクトをかけているなどは論外です。
この設定は多くの場合は標準でエフェクト無しとなっているのですが、
何らかのきっかけでエフェクトをかけている場合もあるので確認しておきましょう。
多くの場合は画面右下に表示されている小さなアイコンにサウンドユーティリティーがありますので、
ダブルクリックするなどで開き、そのソフトの設定を変更します。
エフェクト部分では、「ホール」や「室内」「ジャズ」などといったプリセットが設定されている場合があるので、
ここを「エフェクト無し」とします。
ついでにスピーカーやバランスの設定も見直しておくといいかもしれません。
再生時の音質(ノイズなどではなく元々の音質)を決定付けるのがサウンドチップです。
これは録音環境と同じ物を使うのであれば、良質な物であればそれでOKです。
チップそのものにこだわる必要はあまりないので、好みの製品化されたオーディオインターフェースなどを用意すればいいでしょう。
デモ音源作成などの録音環境で触れてますのでそちらもご覧下さい。
本格的な音楽機材やオーディオ機器で使われる入出力の端子は白赤のコンポジット端子(ステレオRCAピンジャック)やステレオ端子(6.3パイ・ステレオピンプラグ)などです。
ポータブルプレイヤーや一般的なパソコンの背面にあるステレオミニ端子ではありません。
ステレオプラグは左・右の出力が1本のケーブルと1つの端子で出来るようになっているのですが、
特にステレオミニは左右それぞれの接点が小さいため、ノイズを広いやすい事もある上、接点不良を起こし片側しか音が出ないといった状況も珍しくありません。
片側しか音が出ていない時にプラグを回したりして一時的に直ったりするのはそういう理由からです。
その為、オーディオインターフェースを購入する際に必ずチェックしておきたいのが入出力の端子です。
マイクインの端子は主にステレオプラグ(モノラル)ですが、それ以外の端子は白赤のコンポジットなど接点不良が起こりにくいものが付いている商品を選びたいところです。
また、ケーブルは音質を左右する重要な要素ではあるのですが、 スピーカーやオーディオインターフェース自体が良くないと高価なケーブルを使っても大きな差を感じる事ができないので、 他の機材にあわせて順番に揃えていくと良いでしょう。
最終的な出力に欠かせないのが良質なスピーカーです。
商品としてはアンプにつなぐタイプのオーディオステレオスピーカーもありますが、
パソコン用のオーディオインターフェースを使う場合は、パソコン用のステレオスピーカーが主な選択肢です。
多くの場合、パソコンのスピーカーはノートパソコンに初めから付いているスピーカーや、
液晶モニターに初めから付いているスピーカーですが、
言うまでもなくこれは音が出るというだけのおまけ的なものなので、
ほとんどの場合はどんなに安いスピーカーでも外部に取り付けるほうが音質は良くなります。
その為、パソコンで少しでも音にこだわる人は必ず外部スピーカーを使っています。
デモ音源作成においても標準でついているスピーカーでは、特定の音や楽器などが聞こえなかったりします。
そういった環境でのミキシングで自分では小さく聞こえる楽器の音の出力を上げてしまうと、他の人ではその楽器の音が異様に大きくなるわけです。
パソコン用のスピーカーは比較的小さく作られていますが、
ONKYOやローランドなどの製品で近年のものは、コンパクトでもとても音が良いのでおすすめです。
その中で一つ注意したいのは、すでに述べているようにステレオミニ以外の端子を持つ製品を選ぶ事です。
安価な物ではステレオミニのみの場合もあるので、それらは避けてコンポジットなどもある商品がおすすめです。
もちろんこれはオーディオインターフェースの出力端子と同じ物にするのは言うまでもありません。
ミキシング時にパート毎にじっくり音を聞き、変な音やミスなどを確実に見つける場合は、
良質なヘッドフォンとパソコンに接続するUSB-DACがおすすめです。
ヘッドフォンの大きな利点は、耳にフタをする事になるので音源そのものを集中して聞く事ができます。
スピーカーで見つからなかったような音もヘッドフォンでは見つけることが出来る場合もあります。
これも近年の製品は比較的安価なものでも良い物も多くありますので、本格的にデモ音源作成をするのであれば必ず用意したいところです。
もう一点のUSB-DACは、主にデジタルアナログ変換に特化し、クリアで良質な音を得る為の製品です。
こちらも近年では様々な製品が登場していますが、
重要なのは「何がしたいのか」をハッキリさせる事です。
もっともシンプルなUSB-DACはパソコンとUSB接続し、ヘッドフォン端子から出力するものです。
元々良質な再生に特化しているので、こういった製品が本来のUSB-DACの基本理念で、
高機能な製品は価格にもよりますが、多くの場合品質が下がります。
つまり、シンプルでなおかつ高価な物ほど通常は品質が良くなり、
高機能で安価な物ほど品質は下がります。
その為、高機能な物を求める場合であればUSB-DACとして販売されているものではなく、
通常のオーディオインターフェースで良いとも言えます。
本格的になればなるほどこれらはそれぞれで分ける事になり、
再生、録音で違う製品を使うことになります。
ヘッドフォンもミキシング時には使いますが、最終的な確認は良質なスピーカーでする事になります。
これは多くの方がスピーカーで聞いているからです。