音感はどんな人でも練習する事で養う事ができます。
例えば唐突にピアノでひとつ音を鳴らし、これは何の音ですか?と聞くと多くの人は分かりません。
そこで違う音をひとつ鳴らし、これはドです。さっきの音はなんですか?と聞くと、
今度は多くの人が分かります。
これがいわゆる相対音感なのですが、実は参考となる音を聞かなくても分かるはずなのです。
相対音感は簡単に言うと基準となる音が分かれば、相対的に他の音も分かるというものです。
そういう事もあって上であげた例などではどうしても基準となる音を聞かなければ分からないと思いがちですが、
単純にひとつの音をある程度正しく覚えておく事はさほど難しい事ではなく、
実は多くの人はすでに覚えています。
例えば今流行っている曲や好きで毎日聞いているような歌はありませんか。
そういう歌のうたい出しは多くの人はほとんど正しい音程を出す事ができます。
仮にその音がソだとすれば、常にソの音を覚えている事になり、それを利用すれば基準となる音を聞かなくても唐突に鳴らされたひとつの音を言い当てるのは難しい事ではありません。
そしてそれがソだと認識するようになると、ファやラもすぐに分かるようになります。
まずは自分が発声できる音の範囲を確認しましょう。
無理せず発声できる範囲がE3〜E5までだとすれば、中間に当たるE4があなたが得意とするキーの基準になります。
もちろん好みによっては高めや低めのうたを多くうたうかも知れませんので、
そこから自分の好みの合わせて上下させた音をひとつ決めます。
そしてその音をピアノやキーボードなど正確に合っている音を使って徹底的に覚えます。
実際に決めた音を発声して、その後ピアノなどを鳴らして合っているか確認します。
外れていたら音を鳴らしながら何回も発声します。
大体覚えた事を確認したらOKです。
これは長時間練習する必要は無く、それよりもむしろ忘れる前にやる事が重要です。
一日のうち一回から数回やり、覚えているようなら間隔はあけてもいいし、覚えていないようならもっと短い間隔でやります。
そしてその音を絶対に忘れないようにします。
もちろん、好きな歌のうたい出しなどすでに覚えている音を使うのもいいですし、
C3のドなど覚えやすい音を基準にするのも悪くありません。
こうして覚えた音から徐々に範囲を広げ、できれば1オクターブ程度まで即答できる程度に練習します。
1オクターブ正しく音を覚えられた時には音感はすばらしく良くなっています。
音を覚える練習の中で、自分が思っている音とピアノなどの音を繰り返し聞き比べているので、
実際にうたう時も比較的正しい音を発声することが出来るようになります。
そして、外した場合も分かるようになり、自分で調整しながら外さずにうたえるようになります。
音を聞き分けるのであればコード、例えばド・ミ・ソなどを同時に鳴らしそれぞれを聞き分けます。
誰かに鍵盤を弾いてもらって当てるというのでもいいですが、
自分が弾いて初めから何を弾いているのか分かっていても、確認さえ出来れば十分です。
絶対音感とは、どんな音でも鳴らされたらすぐに何の音か言い当てられる事を指します。
これは一種の才能であり、練習して身に付けられるのは相対音感だけと言う人もいます。
しかし私は否定派で、「絶対音感などない」と思っています。
つたない例ですが、産まれた時から喋れる子供がいないように、産まれた時から音程の分かる子供はいません。
恐らく幼児期の成長過程で音程を知り、自然と身についた人が絶対音感を持っていると思われているのではないでしょうか。
つまりそういった人はごく一般的に鳴らされる音の範囲における全ての音を覚えていて、
しかも幼くして覚えた為たやすく忘れる事も無く、なおかつ正確なのだと思います。
たやすい事ではありませんが、そういった音の範囲全て覚える事が出来たとしたら、
その人は絶対音感を持っていると言われるのだと思います。