「声が走っていてとても良かった」などと言われることがあります。
声が走るとは一体どういう事なのか、どうすれば良いのかを考えてみましょう。

まず勘違いしないで欲しいのは「走りすぎ」と言われる、テンポよりも先に先にうたおうとする事とは違います。
言葉でいえば「声がより前に届こうとしている」と言えるかも知れませんが、なかなか上手く説明できません。
それでは逆に考えてみましょう。
静かにボソボソッっとうたっているものは声が走っているとは言えませんよね。
たとえ大声を出していても、これでは独り言のようです。
となれば、もっと広い範囲に伝えようとすれば良いのでしょうか。

より遠くに伝えようとするには、声を乗せた息をより力強くすれば良い事になります。
かすれたような声、いわゆるハスキーボイスがイメージとしては近いでしょうか。
ただ、終始ハスキーであるなら「声が走っていて良かった」とは言いにくいものがあります。
つまり、効果的な場面で声が走っていると、より伝えることができるのではないでしょうか。

多くの歌に当てはまるのがサビの手前です。
AメロBメロサビとある場合なら、Bメロの一番最後のフレーズが声が走っていると沸き立ちます。
例えばその部分が「オー」または「OHHHHHHHH」の場合、 「うおー」や「UWOHHHHHHHHH」、更には「うをほー」などのようにより息をかぶせていくと疾走感を得られます。
もちろんこれはどちらが良いというわけではないので、 歌に合わせてあなた自身が良いと思う方法を選択します。

この「声が走る」は「ノリ」と合わせることでより疾走感を得る事ができるので、 淡々とうたう中で、必要と思う箇所で使うことでより際立たせる事ができます。
そして上手く伝えられたら、聴衆の心を掴む事ができます。