コーラスはボーカリストとは少し違う考え方を持つ必要があります。
デュオのシンガーソングライターなどでは特に重要ですし、 バンドでコーラスを担当する場合や、ボーカルでも時にはコーラスをする場合もあるので知っておきたいところです。

コーラスは極端に言ってしまえば声の出る楽器です。
つまり、歌唱力などは別段必要ではなく正確にうたえる事が重要です。
たまに見かけるのが、普段ボーカルとして活躍されている方が他のボーカリストのコーラスをする場合で、 いつも通りのクセやビブラートなどをやってしまうパターンです。
あくまで余興のひとつとしてする場合は口うるさく言う事もないのですが、 本格的なコーラスをする場合は、これは丁度いい反面教師と言えます。

コーラスではボーカルの時に使うテクニックはほとんど使いません。
特にビブラートがそうです。
和音でのパート、簡単に言うとハモるパートでビブラートをかけてしまうと、 ボーカリストのビブラートとずれてしまい、キレイな音の伸びが得られません。
ビブラートはテンポに合わす場合もありますので、 事前に打ち合わせや練習をしておき、同じ揺れでビブラートができれば良いのかも知れませんが、 演奏する曲全部となるとお互いが相当に練習する必要があるでしょう。

本格的にコーラスを担当する場合であれば、 ボーカリストのクセなどを把握しておくと良いでしょう。
伸ばす部分で尻上がりや尻下がりとなる事も多いですし、 ボーカリストの歌を真似る事で、より息の合ったコーラスとなります。

基本的にコーラスは素直である事が大切です。
すでに述べているように変に装飾する必要はないので、 その分より音程に気をつけ、ボーカルや演奏に合うコーラスが出来れば、 楽曲の完成度はより高いものとなります。